過去の記憶を持たない状態で謎の施設で目覚め、その後 Tobias Rieper (トビアス・リーパー) を名乗るヒットマンとして香港やコロンビア、ハンガリーなど世界各地のマップを渡り歩く、三人称視点のアクションゲーム。シナリオ分岐などはないものの各ステージ中の自由度は高く、いわゆる "ヒットマンらしい" スニーキングを楽しむもよし、正面突破の力技で押し切るもよし…と、さまざまな攻略スタイルで遊べる。

ゲームエンジンは IO Interactive 社 Glacier エンジンを使用、3D 描画は Direct3D と OpenGL、3dfx/Glide に対応し、滑らかなキャラクタアニメーションや人体 (死体) の物理計算も高レベル。
音声面では EAX によるハードウェア処理にも対応。最大 16 チャンネルの同時発音数も任意に設定できる。リアルな環境/効果音や、オーケストラを使った荘厳な BGM が、闇の世界を演出する。

ややクセのある操作系統や、ステージ中のクイックセーブ機能がないという面もあり、ある程度腰を据えてのプレイ姿勢が必要だが、少なくとも私の場合はこのゲームの魅力の方がそれらの障害に勝った。警戒/索敵/思考といった行動パターンの切り替わりが絶妙な敵 AI と、それをかいくぐるべくプレイヤーに用意された、死体/武器の隠蔽そして変装等のアクションやマップ上のギミック。登場武器も首絞め用ワイヤーから刃物、10 数種に及ぶ銃火器と多く、各ミッションを解くための自分なりの道のりを導き出すことが純粋に楽しい。

そして主人公の Tobias。もっとも印象的な彼の特徴であるスキンヘッドと後頭部のバーコード。暗殺者という稼業的にはどうも目立ちすぎる気がするが、その秘密は最終ステージで明かされることになる。
唐突だが私の母の父親はハゲだった。彼にはバーコードこそついてなかったが、ハゲというのは隔世遺伝するものだとよく聞く。だからもしも私の頭が涼しくなる日がきたなら、いさぎよく残りの頭髪もすべて剃り、ついでに後頭部にバーコードのタトゥなどを入れてゆきたい。仲間も多いし大丈夫。Tobias Rieper こと Hitman: Codename 47 は、それほどカッコいいハゲだ。

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