1987 年、Apple II 用のアダルトソフトとして登場した初代以来、シリーズを重ねてきた Leisure Suit Larry の八作目は、シリーズ初の完全 3D ゲームとして、PC/PS2/Xbox のマルチプラットフォームでリリースされた。
大まかなジャンルとしてはアドベンチャーになるが、特に本作のそれは画面を見てもわかるとおり、コメディ色が濃いものとなっている。
また家庭用及び PC 無印版とは着衣表現のレベルが異なる「アンカット」版も発売 (PC 版のみ。ちなみに PC 無印版には第三者の手によるヌードパッチが存在するとか) されている。

シリーズ歴代の主人公 Larry Laffer (ラリー・ラファー) の甥である Larry Lovage (ラベージ) が本作の主人公。おじさんラリーもいちおう劇中に登場するので、旧作を知る人間にはうれしいかも。
本作の舞台はとある大学キャンパス。主人公のラリーはここに通う寮住まいの学生で、言ってしまえば「さえない」男。成績は落第同然、かといって運動や恋愛に打ち込んでいるわけでもない…そんなある日、大学へ TV のデート番組 "Swingles" がやってくる。大学周辺の魅力的な女の子が次から次に紹介されるこの番組で、ラリーは彼の大学生活をバラ色に塗り替えようと決意する。

ゲームは前述のとおり完全 3D。三人称視点 (随時一人称への切替も可能) でキャンパスとその周辺からなるマップを徘徊し、特定の人物などに接触するとミニゲームやムービーなどのイベントが発生する。序盤の行動範囲はラリーの住む寮とキャンパスの限られた部分のみだが、シナリオを進めることにより、女子寮や大通りなどへの道が開けてゆく。
ラリーはマップ中特定のオブジェクトに対してアクションをとることができ、対象が人であれば会話やポージングを、対象が物であればそれを動作させたり調べたりといったことが可能。人物への接触が重要なのはもちろんだが、物についても随所に隠されている現金やトークンを集めることがゲームの攻略には重要になってくる。その他さりげない笑いを誘うオブジェクトなども多いので歩き回るだけでもそこそこ楽しめる。
また散策中には写真を撮ることもできるが、特定の人物はこれを鑑定した上で買い取ってくれる。この写真をゲーム攻略のための現金へと換えるか、自分のアルバムにストックするかはもちろん自由だ。

ミニゲームもよい具合のお気楽さで、内容的には会話やダンス、クオーターズ (グラスへのコイントス対決) など八種類。基本的にはタイミングよくキーを叩くタイプの内容が多いので、コツをつかめば難易度はそう高くない。しかしどうしても勝てないという時には、自販機などで購入できるアイテムの使用や前述のトークンを使用しての勝ち抜けなども可能。

さらに服を入手し着替えることもできたり、アルコールを摂取してふらふらとさまようこともできたりなど、無視できないゲーム本筋の存在はあるものの、細かい楽しみも少なくない。
会話シーンに字幕がないため、ヒアリング能力が必須のようでもあるが、単純な内容もあって、ある程度の話の流れが読めればそう問題はないだろう。性描写についてはそう深くない。ただそこに「布があるか否か」程度のもの。
ささやかな色気と笑いに包まれた新生ラリーの大学生活を楽しもう。

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