当初発売が予定されていた 2003 年 Q3 からやや遅れたものの、04 年春に満を持して欧州から (開発元はドイツ、販売元はオーストリア) 世界へ発信されたタイトル。

タイトルの Söldner (ゼルドナー) とは独語で傭兵を意味するもので、米国およびロシアが世界の警察的役割を放棄した近未来の地域紛争に投入される傭兵達を描いたゲーム内容を表したもの。
このゲーム世界の情勢を基盤としたバックストーリーがついたシングルモードも用意されてはいるが、ネットワークを介した最大 32 人 (非公式では 128 人規模も可能という声も) のマルチプレイがこのゲームのメインとなる。

このゲームの特徴は、とにかく上に書いた通り "既存マルチプレイ FPS のいいとこどり" 的な要素が強い。広大なオープンフィールド (本作のマップは 6,500 x 3,500 km にも及ぶ) を舞台にした戦場で、ふたつのチームに分かれた各軍が 70/80 種以上の近代武器と兵器を駆り、オブジェクトなどを巡って戦うというスケールの大きさからは、ヒット作 OF: CWC や Battlefield 1942 あたりからの影響を感じることができるし、ゲーム中の行動により報酬を得、武器や兵器を購入するシステムは Half-Life の人気 Mod Counter-Strike を彷彿させるものがあるだろう。
買い物は、ゲーム参加時やリスポーン時のほか、ゲーム中でもマップに点在するターミナルに立ち寄って自由に行なうことが可能。上記多くの兵器と武器に加え、各自ひとつずつしか持つことができない、Kits (キット) と呼ばれる下記六種の装備品も販売されている。

Medic Kit (メディキット)

ライフの回復や味方の蘇生ができる

Engineer Kit (エンジニアキット)

兵器の修理や弾薬類の補充ができる

Bombing Kit (ボムキット)

リモートやタイマー爆弾等が使用可能になる

Rocket Launcher Kit (ロケットランチャーキット)

対戦車砲などの重火器を使用できる

Sniper Kit (スナイパーキット)

カモフラージュなど有利な狙撃が可能になる

Commander Kit (コマンダーキット)

味方に標的やウェイポイント等を指示できる

つまり RtCWや Battlefield シリーズなど他のゲームに存在したクラス制のシステムを、装備品の購入という形で実現したものになっている。またチームリーダー役のコマンダーは、各チーム壱名ずつしか担当することができず、任命に際してはチームメイトからの得票も必要になる。
こうしたキット群の存在を除けば、各武器や兵器の使用に際し各プレイヤー間に制限はない。

しかしもちろんそれだけには終わらず、独自要素もある。目立つ物としては、マップ上の樹木や建物オブジェクトなどがダメージを受けることで変形する ADS (アドヴァンスド・デストラクション・システム)、身体各部パーツの組み合わせでプレイヤーキャラクタの外見を細かくカスタマイズできる UCS (ユニット・カスタマイゼーション・システム) に、200 種以上用意されたジェスチャー動作など、いずれもゲーム展開と強く結びつくものだ。

後発の強みという大きなアドバンテージを持ったタイトルとして、多くの FPS ファンの期待を背負った壱本。

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