マレー群島に位置する架空の国家 Panau (パナウ) を舞台に、前作と同じ主人公、CIA 特殊工作部隊 (The Agency) 員の Rico Rodoriguez (リコ・ロドリゲス) の活躍を描くオープンワールド 3D アクションゲーム。 PC/X360/PS3 マルチプラットフォームタイトル。エンジンには本作開発元 Avalanche Studios (スウェーデン) 製 Avalanche Engine 2.0 を独自調整したものを採用。

Panau の国は元大統領であった実父を退けてその座に就いた、Pandak "Baby" Panay による独裁体制が敷かれているが、それを好まぬ者たちによる三つの派閥 (Reapers/Roaches/Ular Boys) もそれぞれ根強いゲリラ活動を行なっている。
Rico は彼の同僚たる女性エージェント Maria Kane らとともに、同国に滞在中とされる The Agency の古株 (Rico の師にもあたる上役) Tom Sheldon の影を追ってヘリでこの地に入ったが、政府軍の対空砲火を受けて Maria が収集した機密情報群は空へ舞い散り、その回収のため Rico は単身地上へと降り立つことになる。
その後は Panau 駐留中の CIA 職員 Karl Blaine をはじめ、前述の各派閥の代表者たちとも会いながら、Rico は彼自身が必要とする情報を報酬とすることを前提に、The Agency と各派閥のミッションをこなしてゆく。

Panau の国は大小多くの島からなっており、また人々の暮らす場所も、村規模のものから、工業区域や港湾に各軍施設、ちょっとした都市まで揃っている。地表についても土や草で覆われた平地から、雪の積もる高地までと、標高差も大きい。この広いマップを駆ける手段としては、陸海空 104 種の乗り物、および前作にも登場したグラップリングフックとパラシュートが用意されている。
グラップリングフックは地表や建造物、乗り物、そして人間をも的にして使える万能のワイヤ付飛び道具。基本的には随時キーひとつで発射でき、物を標的とした場合にはワイヤを巻き上げることで Rico の移動が、人間や軽い物を標的とした場合には逆にそれらを引き寄せることが、いずれも瞬時に行なえる。乗り物への接近後は、屋根の上などに立つスタントポジション体勢に移行でき、そのまま乗り物をジャックすることが可能。乗り物ジャックの際には、QTE を成功させる必要が出る場合もある。
武器はハンドガン、ショットガン、マシンガン各種、ライフル各種、ランチャー各種の銃火器に加えて、手榴弾とリモート爆破が可能な C4 の爆発物。銃火器は片手持ちのものをふたつと両手持ちをひとつ、あわせて三スロット分を、爆発物も二種ぞれぞれを同時に携行できる。片手持ちの銃器に関しては、左右それぞれの手に装備して同時使用することもできる。また前述のグラップリングフックも近接時の打撃武器として扱える。
乗り物および武器には六段階のレベルがあり、これを Black Market (Sloth Demon) のショップ (標準装備のビーコンを発動することで、ヘリを随時呼び出し可能) にてアップグレードすることにより、強度や火力といった各種性能を最大六段階まで向上させることができる。アップグレードに必要なパーツ群は、マップ上の各所に散りばめられている。
また Black Market のヘリを呼び出した際には、いちど訪れたことのある集落や施設等、マップ上の主要地点への Extraction (所謂ファストトラベル) を行なうことも可能。

HUD 左上のミニマップを囲む形で表示されるのは、Rico のヘルスおよび HEAT 値。
ヘルス値は敵の攻撃等でダメージを受ければ減少するが、ある程度であれば、しばらくの間追加ダメージを回避することによって自動で回復する。またマップ中に点在するファストエイドボックスを利用すれば、最大値までの回復ができる。ヘルス値の上限はアーマーパーツを拾い集めることで段階的に引き上げることができる。
HEAT 値は敵対組織の Rico に対する警戒度を示し、ゲームを進めることにより、その態勢もより厳しいものへとなってゆく。敵や施設などへの攻撃等を察知されることにより上昇した HEAT 値は、対象となる相手の眼をかわし続けることにより少しづつクールダウンし、最小値 (ゼロ) まで下げることができる。

また上記の各値と別に CHAOS 値というものが Rico のステータスには存在する。この値はフリーローム時の各種破壊活動ほか、ミッションをこなすことなどで (消費活動のための所持金とともに) 稼ぐことができ、蓄積された数字に対して、既定量ごとに新たなミッションの開放や Black Market に出る装備品/乗り物のアンロックが行なわれる仕組みとなっている。

Sheldon の消息を追い、そしてこの国の行く末をかけて、表情豊かな Panau の各地を巡る Rico の戦いが繰り広げられる。

聞こえるよね

これらについて目をつぶることができれば、そこそこ無難に楽しめるアクションゲーム (シューターを期待する人はおそらく痛い目を見る) だと思う。前作には遊覧やスカイダイブの楽しみ等の新鮮なアピールポイントもあったが、その延長だけでもって本続編の魅力とすることはできず、万人には薦め難い。
ほか、前作では適用非適用の選択肢があったポストプロセス系エフェクトが、今作では強制的に効かされた状態以外を選べないのも個人的には辛い部分。

このゲーム、落ちる頻度がちょっと高い。種類としてはふたつ、起動時とゲーム中のもの。

このうち、ゲーム中のものについては、画質設定 (Advanced Display Settings) にて "Decals" ならびに "Bokeh Filter" の二項を Off にすることで、当方環境 (Win7 SP1 @ FX-8350 + GTX 1080 Ti、いずれも定格動作、出力解像度 HD720p) においてはまったく発生することがなくなった。
ただし、起動時のものに関しては解決方法を見つけることができず、毎回無事に起ち上がることを祈るのみである。同様のエラーについては Web 上でも多くの声を見聞きできるが、発売からこれだけ時間が経ったものに対して、さらなる改良がなされることはないだろう。このエラーのたびにゲーム用 + Windows 用フォルダにそれぞれダンプファイルが吐かれるため、やむなく都度の掃除を手動にて行なっている具合である。

20180112