1930 年代のアメリカ、シカゴを思わせる街などを舞台に、ギャングのボス Kingpin (キングピン … ボウリングのセンターピンがその語源) を目指してのし上がるひとりの男を描いた 3D アクション。
DOS 時代の人気ゲーム *"Redneck Rampage" などを代表作に持つ米 Xatrix 社が制作、販売は同大手パブリッシャー、Interplay が行なった。Xatrix 社はこの後、2002 年に米 Activision 傘下の GrayMatter へと転身し、RtCW のシングルモード制作などを担当することになる。

* Redneck Rampage (レッドネック・ランページ) ...
1997 年に Interplay より発売された DOS 用 FPS。
米国アーカンサスの田舎町を舞台に、悪ガキ兄弟二人がエイリアンにさらわれた彼らのブタを救うために戦う…という、色んな意味で濃いゲーム。Duke3D 等でおなじみの Build エンジンが使用されている。
参考リンク：Redneck Rampage Series (MobyGames)

Redneck... 以外の Xatrix 社作品としては、Quake 2 向けの拡張パックもある。そうした実績を背景に、この Kingpin も Q2 エンジンをベースに作られ、さらにダメージ判定や細かい描画関連においては本作独自の拡張も行なわれた。

名もないちんぴらであるところの主人公がある時 Kingpin の怒りをかって、その手下二人によってスラムの片隅で打ちのめされるところからこのゲームは始まる。
身体は傷つき、手にはその場で拾った短い鉄パイプ。もちろん懐には 1 セントすらない。周囲には物騒な面構えのスラム住民や、道端で酔い潰れる男…声をかけても返ってくるのは、いかがわしいスラングに満ちたそっけない言葉だけ。こうした世界でまさに力だけを頼りに、遠く離れた豪邸に住む Kingpin への逆襲を成し遂げるのだが、その途上には彼の下部組織が幾多と立ちはだかる。
そこで必要なのは金と武器、そして仲間の存在。住民やギャング、彼らの懐や棲家にはいくばくかの金や武器があるだろうし、町には武器を専門に扱う闇の店、人と情報が集うバーもある。自分だけを信じるのもいいが、時には他人をうまく利用することも、この世界の頂上を目指すためには必要な手段だろう。

そんな具合でこのゲームは FPS 形式でありながら、アクションが八割、RPG が二割 (開発者談) といった内容になっていて、NPC との対話等にもある程度内容がおかれた作りになっている。
会話時には肯定と否定、それぞれの対応をとるキーを使用し、仲間 (二人まで連れ歩ける) を雇った際にも、待機と前進、そして攻撃や開錠といった特殊動作を指示できるようになっている。
本編中の六つのエピソードは、スタート地点であるスラムを筆頭に、下水道や港湾、鉄道に市街…といった 24 のレベルから構成され、仲間にできる人物もエピソードごとにそれぞれ存在している。

またマルチプレイモードでは、数種のパーツからなるプレイヤーキャラクタのモデルをさまざまにカスタマイズすることが可能。

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