3D カーアクションの代表的シリーズの四作目。前作までの主人公だった警察組織のアンダーカバー (潜入捜査官) Tanner は登場せず、闇の世界での成功を目論む青年 "The Kid" こと TK が新主人公となった。
PC/Xbox/PS2/Wii マルチプラットフォームタイトルで、Xbox/PS2 版は Atari から、残る二機種は Ubisoft から発売された。

1978 年、駆け出しのちんぴらとして New York へやってきた 18 歳の TK は、憧れの人物でありまた闇の世界の住人でもある整備工 Ray を介して、ある犯罪組織へと接近、組織のドライバーとして幾多の犯罪行為に携わるようになる。
しかし組織とそこでの生活にも馴染みかけたある時、他人が犯した警官殺しの罪をきせられ、青年 TK はその後 28 年の長い時間を刑務所で過ごすことになる。
そして出獄の 2006 年、New York の街並みは変わったが、Ray や彼を陥れた組織の幹部たちはまだそこにいた。復讐という名の新しい仕事を得た TK は、Ray の協力のもと、獲物たちを追う。

この物語をベースに、New York を描いたマップは 1970 年代と 2000 年代のものがそれぞれ用意され、登場する車種も時代毎に分けられている。本編シナリオクリア後には、ふたつの時代を自由に行き来、車の持ち越しも可能になるおまけ要素あり。
シリーズ前作で導入された、人物操作時の武器使用は今作でも可能。ハンドガンから、マシンガンにショットガン、そしてグレネードランチャーやロケットランチャー等、こちらも各時代ごとにそれぞれ異なるモデルが用意されている。
前作までの主人公 Tanner もアンダーカバーという立場上、交通法規違反や発砲等、犯罪となる行為を続けると警察に追わる身となっていたが、犯罪者である TK にもまた、警察による追跡の手は必然の運命として迫ることになる。ただ今作では、TK 自身と使用している車とにそれぞれ手配度がつくようになったので、例えば TK 自身がノーマークなら "警察の視界外で手配された車を乗り捨てて逃げ延びる" という具合の事も可能になった。
78/06 年共通のアジトである Ray のガレージ (マップ中に数箇所点在。またガレージとは別に、TK の隠れ家も用意されている) に車を持ち込めば、車の修理や手配度の抹消、チューンナップ/カスタマイズやストック (各車種壱台ずつ) ができ、ガレージに併設されたサーキットではテスト走行や賭けレースへの参加もできるようになっている。

カーラジオほか劇中のムービーなどで流れるゲームの音楽には、David Bowie の "Suffragette City" をはじめとする各時代ごとの 45 曲 (特別版では +12 曲) が収録されている。

まず Suffragette City がゲーム標準搭載の音源として聴けることに "Hey Meeeen!" と感激。Smash It Up (The Damned) や Peaches (The Stranglers) あたりも個人的に大歓迎。

このゲーム、おそらくワイド画面 TV 等でのプレイを前提に作られたようで、グラフィックオプションから非ワイド表示への切り替えもいちおうできるが、それに合わせ縦横比が調節されたりズームされたりはせず、当ページ下部のスクリーンショット群のように上下に黒帯が入るのみなので注意。
街並みの再現は幾分デフォルメされてはいるものの、New York 各地区の特徴が出ていて面白い。またこのマップ上で、建物や車・人物が切り替わるという、ふたつの年代設定も楽しかった。
操作について特筆する部分はないけれど、TK さん、せめてジャンプぐらいはできてください。あと Driver という名を冠するならば、いい加減ギア操作のマニュアル切り替えや、ダッシュボードが見える視点なんかもそろそろ欲しいかな、といったところ。中途半端なフリーロームアクションには成り下がらない部分をどこかに持っていてほしい。
前作 Driv3r 同様、プリレンダリングのムービーは美麗。通常のゲーム画面はそれより若干劣るものの、スピード走行中のブラー効果 (画面オプションでオン/オフ切替可能) やバンプマップの利いた舗装路など、特に派手さはないがすっきりした今風の画面に仕上がっている。

シリーズおなじみのリプレイエディタがこっそり姿を消したことは残念。

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