Xbox 系プラットフォームで好評価を得ている "Project Gotham Racing" シリーズなどを開発実績に持つ、英 Bizzare Creations (2014 年春現在 Activision 傘下) 制作の TPS。PC/X360/PS3 マルチプラットフォーム。
Tournament / Single Event / Gunplay と三種のゲームが並ぶシングルプレイヤーモードのほか、Windows Live サービスまたは LAN 回線を利用したマルチプレイヤーモードも用意されている。

"The Club" とは、物好きな金持ちたちのために "殺人スポーツ" 興行を打つ秘密組織。それぞれの背景を持つ参加者たちは主に銃器を携え "競技" に挑む。
移動 (しゃがみおよび無制限スプリント可) と攻撃 (銃撃 + 投擲 + 至近距離での打撃) に加え、ローリングを行なう、ドアを開ける、木製バリケードをぶち破るといった各種のアクションも可能。
下記がプレイヤーキャラクタとして選択可能な八人の男たち。彼らには Speed / Strength / Stamina といった三つのステータスがそれぞれ設定されている。

Player Characters

Adjo

Status: Speed = 2, Strength = 5, Stamina = 3
過去に犯した罪から足を洗うことを願っているアフリカン。

Dragov

Status: Speed = 1, Strength = 5, Stamina = 4
ロシアの犯罪史に名を連ねるシベリア出身の大男。

Finn

Status: Speed = 3, Strength = 3, Stamina = 4
短髪ブロンド、白スーツを着込んだギャンブラー。

Killen (Unlock Character)

Status: Speed = 3, Strength = 4, Stamina = 3
常連的 The Club 参加者。

Kuro

Status: Speed = 5, Strength = 2, Stamina = 3
素性知れずの日本人潜入捜査官。

Nemo (Unlock Character)

Status: Speed = 5, Strength = 4, Stamina = 1
殺意のみを残し、人間としての心を失くした The Club の最高機密。

Renwick

Status: Speed = 4, Strength = 3, Stamina = 3
勤続 30 年のキャリアを誇る NYPD 刑事として多くの受勲暦を持つ。

Seager

Status: Speed = 4, Strength = 2, Stamina = 4
ただひたすらにスリルだけを追い求める謎の青年。

舞台として用意されているのは下記八つのロケーション。

Level (Location) s

• The Steel Mill: 鉄鋼施設
• the Venice: 水都ヴェニス
• The Prison Cells: 刑務所
• The Ocean Liner: 大型客船
• The Warehouse: 倉庫街
• The Manor House: 邸宅
• The Bunker: 地下掩蔽壕
• The Warzone: 市街戦闘区域

このロケーションそれぞれに

Sprint

なるべく速く、そして多くの敵を倒しつつゴール地点を目指す

Time Attack

周回制ルールの下、制限時間内にゴール地点を目指す

Survivor

ロケーション内の限定区域に留まり、既定時間内を生き延びる

Siege

ロケーション内の限定 (Survivor モードよりも狭い) 箇所に留まり、既定時間内を生き延びる

Run the Gauntlet

体内に仕掛けられた時限爆弾の爆発時間が来る前にゴール地点を目指す

上記五つのゲームモードが用意されており、シングルプレイヤーモードのメインである "Tournament" においては、全モードの総合得点において最高値を得たものがそのロケーションでの勝者となる。点を得るにはまず敵を倒す、それからヘッドショットを狙う、連殺によるコンボを繋いでゆく…等の方法がある。
簡単なもの順に Casual > Reckless > Insane > Real と四段階に並ぶ難易度選択もできる。
ヘルスは最大値を 100 とし、敵から受けるダメージで減少する。レベルマップ上に配置されたヘルスパックを入手して回復を行なう。
登場武器は下記のもの。ゲーム開始時に所持している物のほか、各レベルマップ上に配置された物や倒した敵からも武器弾薬を回収できる。武器の所持量制限はない。

Weapons

Pistols

• SP "Hornet"
• Callahan" 357
• Hammerhead

Shotguns

• Punisher
• Defender

Submachine Guns

• Enforcer
• Scorpion
• Scoped M5 "Deathstalker"
• M5 "Deathstalker"

Assault Rifles

• Raptor
• Phoenix
• AGU "Spartan"
• Scoped Phoenix

Gatling Gun

• Hydra" MG

Sniper Rifle

• Dragon Elite

Rocket Launcher

• Zeus" RG

Grenades

• Frag Grenade
• Flash Bang

急がば殺せ! とばかりに、少しもじっとしている間もなく常に走り回らねばならないという、やや珍しいレーシング TPS。気になった、もしくは不満を感じた点はおもに下記のものたち。

• Windows Live 起動/接続の面倒。セーブデータがローカル保存できない
  訂正: セーブデータ保存場所 (WinXP 32-bit の場合) 発見 …
  "C:/Documents and Settings/All Users/Documents/The Club Game Save Data"
  
• GfWL の上に SecuROM の導入という面倒なプロテクト仕様
• 画面表示のボタンナビゲーションがすべて Xbox 360 コントローラ前提
• イントロムービーのスキップで起こるシステム (Wave) 音量自動低減の問題
• 人を殺める重みがないアーケードゲーム感覚
• 常に急かされてゲーム設定の中 (ロケーション群) に浸れない
• 判りづらい武器バリエーション

いかにも Sega リリースらしいゲームといえば全くそうである。古いところでいう "Virtua Cop" (Sega AM2, 1994) あたりを、ぱっと見自由行動ができそうな 3D TPS のシステムに置き換えてみました…とでも言えば伝わるだろうか。目まぐるしく (半強制的に) 移り変わる画面の中で、ひたすら人形的に姿を現す敵への射撃。また、けっして通行人を轢けない "Crazy Taxi" よろしく血肉が飛び散ることも決してない (エフェクト的出血表現は少しだけある) し。
FPS や TPS というゲームジャンル自体が射的ゲームの延長にあることは間違いないが、特にじっと佇むことができぬ本作のシステムでは気の済むまでのマップ探索などもまず不可能。敵やアイテム等の配置を覚えることを除いて、ただなんとなく作りが違う…そのようにしか感じることができない各ロケーション。レベルデザイナー + エディタさんらはさぞや不遇だろうと勝手ながらに思う。

あえてフォローをするとしたら、つまりは上記意見と反対のものを求める人にとっては適当なゲームなのだろうということ。
物語展開やマップの徘徊など細かい部分をゲームに求めず、ただもうスピーディに眼に映るものを片っ端から撃ってゆき、ひたすらハイスコアやエイム能力を極めたいと思う人にお勧めすることもできなくはない。プレイヤーキャラクタに敵 AI とも、動作自体は良くも悪くも "軽い" ので。

それから気になっているのが GfWL が本 2014 年内に終了との噂。なんらかのサポートがなされるはずだとは思うが、現在各社がまちまちに行なっているゲームデータ配信やクラウドへのセーブデータ保存、いちゲームファンとしてはいい加減共通したフォーマットが欲しいところ。
次から次へと (最悪余計な広告まで表示される) クライアントソフトウェアの導入を余儀なくされ、ゲームプレイ時にはそれらも常駐させねばならず、かつパッケージ版購入者には二重三重のプロテクトをかましてくださるといったスタイルを、いったい誰が求めているというのだろうか。

Reference Link

• Games for Windows Live is dying, we check the life support of games (Joystiq)

20140522

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